ログアウト [頭の中に出てきたやつ]
買い物帰りに初冬の風
薄いニットを通す
背筋が小さく震えて速足になる
夕陽に染まる落ち葉を蹴りながら
ポケットの中で着信
ともだちはみんな画面の向こう
一度どこかで会ってみたくても
たぶんこのままだろうな
宵闇が下りてきて歩道を青く包む
今日一日は夜へと進んで
みなさんまた明日
ドア開けば猫が出迎えて
足にまとわりついて甘える
この部屋は私が生きていく為
心を守るすべてが詰め込まれている
うちを出たら誰とも話していない
気付けば一度も笑っていない
こうして世間から弾かれていくのか
流れに乗れなくなるのか
ソファにもたれて猫を抱いて目の前にTVとPCと
眠気を誘うぼんやりな時雨月
冷めたコーヒー残してまた明日
いつかあなたに会えるなら何を話そうか
画面の向こうできっと同じ辛さ
抱えてるあなたへ
ログアウトしてまた明日