16:30のあくび [おっぽこ一番の思い出]
夕方4時過ぎて
君は活発になる
体を起こして伸びをして
顔に似合わない大あくびする
小さな口が大きく開いて
君が生きものだと感じる
ぬいぐるみなんかじゃないと
可愛いだけじゃないと
それが君の素晴らしきことだと
4回忌そして [おっぽこ一番の思い出]
うさぎさんや
うさぎさんや
私のかわいいうさぎさんや
4年前の夏に
お月様へ帰ったあなたです
あなたと暮らした部屋はもう
使っていた物すべて片付けられ
あなたの気配ひとつありません
それでも私の毎日は穏やかで
4回忌が過ぎていきました
そうですよ
あれから4年も経ちました
時間が悲しみを癒して
残った仲間たちが
寂しさを埋めてくれました
それでも時々
今でも時々
古傷が傷むかのように
あの頃の失敗を
悔んでは思い出に泣いて浸るのです
ごめんなさい
タイムマシンがあれば
やり直したい
うさぎさんや
うさぎさんや
小さなうさぎさん
心にとても大きく描かれた
うさぎさん
ふやかす夜 [おっぽこ一番の思い出]
影踏み [おっぽこ一番の思い出]
冬のそれは [おっぽこ一番の思い出]
綿毛の行方 [おっぽこ一番の思い出]
夏のプラットホーム
線路の敷石の白が眩しい
汗が流れるのを感じつつ
予定時刻を過ぎても
まだ来ない電車を待っている
苛立ちを隠せない人の間を
アザミの綿毛が飛んで行く
迷子のようにふらふらと
落ちそうになっては
また浮き上がり
微かな空気の流れに押され
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